大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和48(あ)974 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人両名の弁護人和島岩吉、同大深忠延連名の上告趣意は、事実誤認、単なる

法令違反(記録に徴しても、所論各供述調書の任意性を疑うべき証跡は認められな

い。)の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由にあたらない。

なお、職権をもつて調査するに、当裁判所の判例(昭和三四年(あ)第一一九〇

号同三五年二月二三日第三小法廷判決・刑集一四巻二号一七〇頁、昭和三五年(あ)

第一四三二号同年一二月二三日第二小法廷判決・刑集一四巻一四号二二二一頁)に

よれば、公職選挙法二二一条三項にいう「公職の候補者」とは、同法の規定にもと

づく正式の立候補届出または推薦届出により候補者としての法律上の地位を有する

に至つた者をいうのであつて、いまだ正式の届出をしない、いわゆる「立候補しよ

うとする特定人」を包含しないものと解すべきところ、原判決の支持する第一審判

決は、被告人Aに対する判示昭和四四年(わ)第三四六九号事件の第一の一ないし

五および同年(わ)第三六〇二号事件の第一ないし第七において立候補の正式届出

前における選挙人等に対する金員供与の事実を認定しながら、これに対する法令の

適用として同条三項一号、一項一号を掲げたのは、法令の解釈適用を誤つた違法が

あり、右誤りを看過した原判決もまた違法であるというべきであるが、同被告人の

その余の所為は同条三項一号、一項一号(刑法六〇条)に該当し、同条三項の刑を

基準として併合罪の加重をすべきものであるから、結局右違法は判決に影響を及ぼ

さず、刑訴法四一一条一号を適用すべき場合にあたらない。

また、記録を調べても、同条を適用すべきものとは認められない。

よつて、同法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり決定する。

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昭和四八年八月七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 江 里 口 清 雄

裁判官 関 根 小 郷

裁判官 天 野 武 一

裁判官 坂 本 吉 勝

裁判官 高 辻 正 己

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